競技かるた部活動報告〜その53〜かるた甲子園報告ver.1 祝✨全国ベスト4
2018.07.30
7/28(土)、ついにかるた甲子園こと高校選手権団体戦の決戦の火蓋が切って落とされました。
かるた甲子園では、近年の参加校の増加に伴い近江神宮のみで全ての試合を行うことはできなくなっており、近隣の施設なども試合会場として使用する中、海城の入ったBブロックは運良く「近江神宮勧学館、浦安の間」という、名人戦・クイーン戦も行われるかるたの聖地で試合に臨めることになりました。
初戦の相手、沖縄代表宮古高校を5-0で完封、二回戦は岩手県代表一関第一高校、三回戦、千葉県代表成田高校をそれぞれ4-1で降し、海城高校は決勝トーナメントに駒を進めることができました。中でも活躍が目立ったのは五将橋本匠(C級初段高1)で、格上の選手を相手に持ち味のクリーンなかるたをきっちり取り切り、チームを支えました。
ここまでも、結果だけを見ると危なげなく勝利したように見えるもののやはり全国の舞台は決して楽なものではないと思わせられる試合ばかりでしたが、ここからはまさに死闘と言えるような戦いになりました。
ベスト8が出揃っての決勝トーナメント第一戦は、熊本県代表の鹿本高校。メンバーのうち、A級四段が3人、あとは皆B級という、戦力で勝るチームです。
しかも、こちらの主将である林峻平(A級四段高2)、副将伊藤知隆(B級二段高3)が鹿本の四将五将と当たるというオーダーになり、五試合のうち三本取って勝つには、残りの三人、三将吉田匠(B級二段高3)、四将山城颯太郎(C級初段高2)、五将橋本匠(C級初段高1)の誰かがA級選手を相手に一勝を挙げなければならないという、かなり厳しい条件となりました。
そして、ここで番狂わせを起こしたのは、四将山城でした。鹿本のA級の副将を相手にどんなに取られても諦めずに粘り続け、ギリギリの最後には逆転勝利を果たし、海城の準決勝進出への立役者となりました。
準決勝の相手は滋賀県代表、膳所高校。実は、顧問はこの膳所高校かるた班(膳所では部活動を班活動と呼ぶのです)の出身で、個人的には海城vs膳所は念願の対決でした。昨年度高校選手権三位、A級大会での優勝経験を持つ超高校級エースを擁する膳所高校に、海城は2-3と善戦いたしましたが、一歩及ばずここで今日初めての敗北を喫しました。勝ち星は、主将林と、ここでも四将山城が格上を相手にひっくり返しての貴重な一勝でした。
三位決定戦は、大分県代表の中津南高校となりました。中津南と言えば、一昨年の準優勝校であり、海城が二回戦で対戦し、たった一枚の差で敗退した、因縁の相手です。先輩達の雪辱戦、としたかったのですが、ここでも2-3で惜しくも負けてしまい、海城高校の結果は四位となりました。
中津南戦で勝ちを挙げたのは、主将林と、この日初めて起用された、六将望月隆太(C級初段高1)でした。この春にE級から一気にC級に昇級したばかりの新人エースで、この大事な場面できっちり自分の役割を果たしました。
前回、東京都予選の様子をお伝えしたときに、「今年の海城は決して強いチームではない」と書きました。今回の大会では、主力選手である高2中山雄貴が海外研修中で参加できなかったため、さらに少ない戦力でのかるた甲子園への挑戦でした。
にも関わらず、全国四位という成績を残せたのは、この短期間に彼らがどれほどの努力を重ねたのかということの証左であり、また、「自分が勝たなければチームが負ける」という重圧に潰されず、むしろ力に変える精神力と、そして、団体戦でこそ強くなれる信頼感の成し得た結果であったと思います。
猛暑の中、会場から溢れる観客、テレビカメラも入るような不慣れな環境で、朝から夜までの六回戦を集中を切らさずに戦い抜いた彼らは本当に立派でした。
今回の六戦を全勝で終えた高2主将の林は、「自分が勝てたのは、高3の二人が精神的に支えてくれたから。二人がいたからこそ、のびのび取って勝つことに集中できた。」と語りました。この大会をもって、高3の伊藤と吉田は引退となります。 団体戦の主力選手としてはもちろんのこと、それだけではなく、その暖かく後輩思いの人柄で、本当にたくさんのものをかるた部に残してくれた二人を心から賞賛したいと思います。
今回の全国優勝は、決勝で膳所高校を降した浦和明の星高校、初優勝です。
私たちも、全国四位という結果に満足することなく、来年は全国優勝を目指して、新しいチームを作っていきます。
応援してくださった本当に多くの方々に改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。